「転職するなら、資格のひとつでもあったほうがいいのかも・・・」

そう思うITエンジニアの方もいらっしゃるかもしれません。とくに、まだ経験の浅い方や、未経験からIT系の仕事に転職したいと考えている人の中にもいらっしゃることでしょう。

アピールのために数ある資格の中から、「ITパスポート」の資格取得を検討している人もいるのではないでしょうか。

ところでこのITパスポート、転職に本当に役立つのか気になりますよね。ITエンジニアには必須の資格なのでしょうか。

本記事では、ITパスポートを取得する意義から、転職で有効な場合について解説します。

「ITパスポート」は、経済産業省が認定する「情報処理技術者試験」のひとつで、ITに関する基本レベルの国家資格として2009年に導入されました。

すべての社会人が対象で、ITの正しい理解や効率的な活用を目指しています。

この試験はITに関する基礎的な知識を証明するものであり、浅く広い分野の基礎知識が問われます。

IT社会の進化に伴い、ITパスポートは一般的なIT知識の基礎となり、企業によっては入社前の取得を義務付けるところもあります。

新卒の就活においては、ITパスポートやMOSがあればPCスキルと基礎知識をアピールできるでしょう。

企業にとっては、PCスキルが不足している新入社員を採用することはリスクが伴うため、ITパスポート資格を保有することは採用ハードルを下げる重要な要素となりえます。

ほかにも、主婦の再就職やブルーワーク系からの転職にも有効で、時代的なブランクがある場合やPCを使っていない職種からオフィスワークへの転身を目指す場合に役立つでしょう。

企業にとっても、ITパスポート資格を持つ人材であれば、どの程度のスキルを持っているか採用前に計算が立てやすくなります。

AI・ビッグデータ・IoTなどの最新技術から、アジャイルなどの開発手法、経営戦略・マーケティング、セキュリティ・ネットワークなど、幅広いテーマが含まれます。

しかし、難易度としては情報処理技術者試験の中で「入門レベル」といえます。

実際に、2020年度〜2022年度の合格率を見ると、いずれも50%台で安定しており、低い数値ではありません。

合格基準は、総合評価点が1000点中600点以上、分野別評価点が1000点中300点以上であることです。

かつてITの知識は、IT業界や企業の情報システム担当者にのみ必要とされていました。

しかし、最近ではあらゆる部門でデジタル化が進み、DXへの取り組みが強化されています。

経理、人事、企画、マーケティング、営業、生産など、職種を問わずITの知識・リテラシーが求められ、転職を考える際にはITの基礎知識がプラスの評価につながる可能性があります。

一方で、ITパスポートを取得すること自体はデメリットではありませんが、ITエンジニア経験者にとっては難易度が低いため、アピールポイントとしてはあまり効果的ではありません。

つまり、書類選考や面接などでアピールする材料としては弱いといえるでしょう。

では、ITパスポートは転職活動においてアピール力が弱いのでしょうか。

採用ポジションや使い方によっては、選考で効果を発揮する可能性がありますので、以下に一例をあげます。

転職サイトで「ITパスポート」を検索すると、資格を持っている人を求めている企業の募集がヒットします。

そういった未経験者向けのポジションなどを狙ってみると良いでしょう。

ITエンジニア不足の中、未経験者でも歓迎する求人が多くあります。

未経験者の場合、実績がないため、「学習意欲」がアピール材料となります。最低限のIT知識を持つことをアピールすることで、評価されやすいでしょう。

これは異業界からの転職にも当てはまり、ITパスポートを持っていれば基礎知識があると判断され、プラス評価につながる可能性があります。

ITパスポート以外にも、転職に有益なIT系の資格はあります。将来のキャリア目標に応じて学習してみるのも良いでしょう。

ITエンジニアが転職する際に求められることは、何よりスキルと実績です。

市場価値に関する記事でも紹介したとおり、実務に使えるスキルや結果を出せると期待される実績を持つことが資格を取得するよりも大事といえます。

資格にこだわりたいのであれば、より難易度の高い資格を取得し、自身の希少価値を高めるべきでしょう。

こだわりがないのであれば、実務経験を積み上げることを意識し、スキルを向上させ、他社でも通用する実績を作ることに注力すべきです。

それらが将来のキャリアのために有効となるでしょう。

とはいえ、現在のスキルや実績では希望の転職が叶うか不安な人もいるかもしれません。そういう時は、IT業界に詳しい転職エージェントを活用してみましょう。

キャリアに関する相談から、現在の自身の市場価値について客観的なフィードバックを得られます。

無料で相談できるだけでなく、業界に関する最新の情報や人材を募集する側の企業の考えやニーズなどについてもアドバイスを受けられるため、今すぐの転職の意思がなくとも必ず役に立つはずです。

業界や企業において、現在どのようなニーズがあるのかを把握できれば、今あなたが取り組むべきこと、向上させるべきスキル、積むべき経験もはっきりするでしょう。

将来の方向性、今取り組むべきタスク、これらは1人で考えていてもなかなか見つけられません。専門家と話すことで言語化も進むはずです。

あなたのキャリアをより良いものにするため、ぜひ転職エージェントの利用も検討してみてください。

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